万引き家族面白い?つまらない?感想評価!

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カンヌ国際映画祭で最高賞となるバルムドール受賞した注目作品、映画「万引き家族」

リリーフランキーさん、安藤サクラさんを始め、実力派俳優が出演している事でも話題になっていますね。

今回は映画「万引き家族」の感想評価をみてみましょう!

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カンヌが認めた是枝監督作品は感動!

・「万引き家族」という強烈なタイトルに惹かれて見たのですが、どこかに現実的にあるような家族の姿なのかもしれないと感じました。血のつながりだけが家族ではなくて、必要としている人と一緒にいること、自分のことを大切に思ってくれている人がいるところが家族なのではないでしょうか。「万引き」という行為自体はいけないことかもしれないけれども、そうせざるできない現状があることも今の日本の社会の問題点かもしれません。虐待されている子供のニュースが流れるたびに、血がつながっているという理由で小さな子供がいろいろなことに我慢してお家の中にいることよりも、この「万引き家族」のような子供にとって安心できる居場所が見つかるといいなと思いました。

・是枝監督の作品は好きなので、久々に映画館まで行きました。全体的な感想としては、「やっぱりいろいろ考えさせられるなぁ」と言う感じです。実際に合った事件を基にしているそうですが、表に出ていない似たような事例は結構あるだろうし、そういった意味でもインパクトは強かったですね。「法的にはアウトだけど、事情を考えるとアウトにしてしまっていいのかな」とか、「その人の中身だけ見ればすごくいい人なんだけど・・・」というライン取りが巧いなぁと思います。人間関係やそれに合わせた感情も丁寧に描かれている感じでしたし、監督とキャストがうまくかみ合っていました。まぁ、名優さんが多いと言ってしまえばそれまでですけど、その演技をうまく引き出すのは監督さんですからね。映画館まで言って正解でした。

・役者の演技が、誰もが自然体で、リアリティを生んでいます。「演技をしている」という感じがないのです。中でも、安藤さくらの演技は素晴らしく、取り調べの時の真正面のカットは、長回しで、結構な間を取りながら、撮られているのですが、いったいどこまでを演出して、どこまでがアドリブなのか、わからないくらい真に迫っていました。「万引きによって深まる家族の絆」なんて曲解された内容で一部から非難を受けているようですが、全くそんな話ではありません。人間の悪い部分と心の優しい部分を綯い交ぜにしながら、家族や人間関係、愛情といったものを描いた物語です。決して何かを美化した物語ではなく、善悪といった二元論では語れないという人間の本質を考えさせられる映画です。

・万引き家族では、「万引き」という行為を共有する家族が、社会病理の一端として描かれています。この映画に映し出される社会底辺に位置する人々を見ることによって、理不尽な社会原理と社会階層に目がいき、怒りがこみ上げそうになるわけなのですが、少し冷静に見ると、怒りを忘れ、奇妙な飯事のようにこの映画に映し出された「家族の絆」の描写は、不自然な愛情に溢れています。そして、この「家族の絆」「家族の愛情」は家族共同のみょうに板についた万引き行為と対比されればされるほど、人工物めいた滑稽な演技に見えてくるのです。是枝裕和監督の社会や人間を捉え方は、何か典型過ぎるのです。ある意味、社会を描こうという意図によって全てが写されています。だから、この「万引き家族」がどことなくリアルティに欠けています。
そもそも、「貧困=万引き」という図式を、現在の社会病理を描くにはあまりにも安易すぎるのではないか、と思います。私は、貧困による万引きよりも、万引きする必要のない人間が万引きすることの方が、より社会病理の根底的な部分ではないかと思うのです。そこには、人間の弱さというセンチメンタルで中途半端なものではなく、より深い闇が横たわっているのです。

・万引きは犯罪であり、悪である。それは揺るがしようのない事実ですが、映画が進むにつれ、万引きシーンが出てくると「今度こそ見つかるんじゃないか」とハラハラしてしまいました。見つかってしまえば、この家族は家族ではいられなくなる、そんな確信があったからです。なんでも受け入れるおばあちゃん、ちょっと怖いけれど優しいお母さん、頼りなくて子どもみたいなお父さん、寂しそうなアキちゃん、強くてまっすぐな目をした子どもたち。制度上の「家族」ではない彼らを見ているうちに、「この人たちにずっと家族でいてほしい」という思いが募っていくのです。役者さん一人ひとりの演技が本当に素晴らしく、また映像も説得力がありました。狭くて古い家のナフタリンの匂いや風呂場のタイルのぬるつきまで伝わってくるかのようでした。また、柄本明さんが演じた駄菓子屋(タバコ屋)の店主は、ほんのわずかな出番だったけれど強烈な印象が残りました。妹にはやらせるな、とつぶやいたシーンで祥太の人生はほんの少し変わったのだと思います。

・一言で言うと暗いです。今の日本社会や時事問題に興味がある人は興味深く心が打たれるものがあると思います。同じ是枝裕和監督の「誰も知らない」と言う映画を見た人なら似たような雰囲気を感じるでしょう。よくはわからないですが「誰も知らない」は実話を基にして作られた映画でしたが、これも実話なのかどうかはわかりません。もうひとつ「そして父になる」というこれも実話を基にした映画でしたが、「そして父になる」は福山雅治主演ということもあってどちらかといえばエンターテインメント映画でしたが「万引き家族」は出演者がエンターテインメント向きではないので映画を楽しむのとは違う、いわゆる社会派映画の分野でしょう。社会問題に興味がある人が見る映画です。